プロジェクトを通してあらゆることを体験学習。
こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?
■4月といえば、入学式ですね。
実は私の一人娘がこの春から都内の私立高校に入学することになりました。
彼女は小学5年の3学期から中学3年までの約4年間、福井県勝山市にある「かつやま子どもの村小中学校」というところに通っていたので、本当に久しぶりに親子3人の生活が始まります。
父親としてやはりすごく嬉しいです。
彼女が自分の意志で決めたとはいえ、小学5年生が人里離れた学校へ行くというのは今から想えば不安や心配はかなりのものがあったと思います。
かっこ悪い話ですが、鈍感な父親の私でさえ、4年前、彼女の編入で勝山まで送ったとき、ホテルのビュッフェでコーヒーを飲みながら涙をポロポロ流して泣いてしまったのを今でも鮮明に覚えています。
さびしかった私の背中をさすってハンカチを渡してくれた彼女の笑顔は忘れられません。
もちろんそれまでに母と娘でぶつかり合ったり励まし合ったりしながら、多くの涙をお互い流してきましたが、男は本当に鈍感ですよね。
最後にならないとその気持ちが正直に出せない。
それ以来、涙もろくなっているのは少しくらい素直になってきているのかもしれません。(笑)
■ 彼女はこの4年間で親が言うのも何ですが本当にしっかりした子に成長しました。
この学校は小1〜中3まで約70人の生徒が学年の枠を超えてあるプロジェクトを自分で企画し、その中で役割分担をしながら体験を通して様々なことを学んで行く、体験学習が全体の1/2を占める教育を実践しています。
例えば「織物工房」というプロジェクトでは幼い羊を買い付け(経済)、それを育て(保育)、その家を建て(技術、設計、数学、物理etc)、病気にならないようエサや体調の管理をし(保健、生物、畜産)、大きくなったら毛を刈って織物にしてセーターを作り(家庭科)、その商品に値付けしてバザーで販売し(製造、営業)、売ったお金でカンボジアに井戸を掘ることに役立てる(ボランティア、社会貢献)、そして大きくなった羊同士から次なる生命を誕生させる(医学、自然の摂理)、などのプロジェクトを通じて、生徒達はあらゆることを体験を通じて学んでいきます。
もちろん、分からないことは自分でネットで調べたり、本を読んだりしながら実際にそれを実現していきます。
先生にもなりふり構わず質問して教えてもらい、自分たちのプロジェクトを決められた期間(半年〜1年)の中で型にして行きます。
その中での先生の役割は生徒の自主性、自発性、創造性が自然に湧き出てくるサポートをし、決して疎外せず応援すること。
それをすばらしい理念のもとに実践されています。
|