自分の足元を大切にする時間を作る勇気。
彼の前では妙に謙虚で素直になっている自分を発見。こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?■ 先日久しぶりに、私がインタビュアーをつとめている先見経済という月刊誌で、柔道の山下泰裕さんにお会いしました。 山下さん(東海大学体育学部教授)とは、10年位前に、ある本に掲載された私たちの会社の商品にピンとこられて、お試しになられたことがきっかけで、2年に1度くらいの割合でお会いさせていただいています。 山下さんと言えば、ロサンゼルス五輪で片足を引きずりながら感動の金メダルを手にされ、国民栄誉賞を授与された世界的にも有名な方ですが、お目にかかるといつも笑顔で、温かく気さくに話をしてくださり、えらぶるようなことは全くありません。 逆にこちらの方が格好つけて我を張って生きているような気がして、彼の前では妙に謙虚で素直になっている自分を発見します。 よく、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言われますが、教え子や私のような未成熟な人間に対しても、懐深く包み込んでくださるのが実感できます。 だから彼とは本音で話ができるのです。 インタビューも私なりに直球で、自然体で話をさせていただきましたが、彼も自然体で和やかに応じてくださいました。1年前から申し込んでいたインタビューでしたので色々とお聞きしたいことがありました。 社会的にとても重要な役割を背負われていますので、スケジュールは1〜2年先までビッシリ詰まっています。 そんな中で、学生のこと、家族のこと、自分の足元を大切にされる時間を作るには何かを犠牲にしなければ自分自身が崩れてしまいます。 ■ 実は、山下さんでも数年前までは、有名ゆえに様々なしがらみで人からの頼まれごとを断りきれず、毎年暮れになると学生や家族との時間が取れなかったことを悔やみ、奥様に愚痴をこぼしていた時期があったそうです。 そんな彼を見かねて、ある日奥様に「お父さんが変わらなければ、5年先、10年先も同じことをして同じように毎年暮れにボヤくことになるわよ」と言われたそうです。 この言葉にさすがの彼もカチンときて、「お前なんかに俺の大変さと気持ちが分かるものか」と叫んで怒って自室にこもられたそうです。 奥様が1本取った。という感じですが、この図式は私の中、いやいや男の人なら同じような経験をされ大いに共感できるものがあると思います。 ただ、ここからが、私のような凡人と、彼の違いが出てきます。 自室にこもって怒りを静め、素直に冷静に、もう1人の自分が心の中で質問をします。「自分を変えるってどういうこと?」「どうしたらこのパターンを変えられるのか?」そこで、自分自身の中で「人に嫌われたくない自分」「良く思われたい自分」を手放せない自分に気が付きます。 これを手放すには男としてかなりの勇気が要ります。 |
自分に厳しく、決して奢らず謙虚に、
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この勇気を出せない、決断が出来ないから、5年先、10年先も同じパターンを繰り返す。 |
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生きる背骨をしっかりさせて、
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今以って日々心の鍛錬をされて人間性を磨いていらっしゃるその姿勢に、周りの人はたくさんの刺激とエネルギーをもらっているのだと思います。 |
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